血糖値を下げるのはインスリンだけではない

●石を投げれば糖尿病に当たる

血糖値が高いと言う人が非常に多い。現在、糖尿病の人と糖尿病予備軍の人を含めると2200万人以上と言われています。(石を投げれば糖尿病に当たる。と言われる所以です)

●こうして糖尿病が起こる

糖尿病になると、血糖値を下げるためにインスリンの注射を打つことになります。もともとインスリンは、私たちの膵臓から分泌されているホルモンで、食事をして血糖値が上がると、膵臓からこのホルモン・インスリンが分泌して血糖値を下げる役割をしているのです。しかし肥満が進行してくると、インスリンが分泌されても、インスリンの効き目が悪くなる状態が起こります(インスリン抵抗性状態)こうなると、インスリンを分泌する膵臓に負担がかかり、膵臓の臓器障害を起こしてしまうのです。これが糖尿病!

●インスリンはどのようにして血糖値を下げているのか

血液中のブドウ糖の濃度が上がると、膵臓からインスリンが分泌し、そしてインスリンはインスリンレセプターにキャッチされることによって、細胞内でチロシンリン酸化反応を起こし、GLT-4(グルコーストランスポーター4)と呼ばれる〈ブドウ糖輸送単体〉をトランスロケーションさせて、血中のブドウ糖を細胞内に運び込んでいるのです。そして血液中の血糖値が下がることになります。

●それでは私たちの血糖値を下げるのにインスリン以外でどんなものがあるのでしょうか?

1・インスリン抵抗性状態(膵臓の臓器破壊まで行かないで、まだインスリンを分泌している状態)の場合は、内臓脂肪を減少させることによって、内臓脂肪から出ているサイトカインの、TNF-α、レジスチン、ビスファチン、などの分泌異常がなくなり、インスリンの効きが回復して、血糖値が下がることになります。

2・しっかり運動する。ことによって、体内でのエネルギー枯渇状態が起こると、AMPK(アデノシン1リン酸キナーゼ)と言われる酵素が活性化し、細胞内のGLT-4のトランスロケーションをさせることによって、細胞内にエネルギーの元であるブドウ糖を取り込むことになり、結果・血糖値が下がることになります。

3・食事により血糖値を下げる。私たちの食べ物の中にある栄養素が血糖値を下げる効果を持っているものがあります。

・亜鉛、ビタミンB6 、ナイアシン→→インスリンの合成
・カルシウム・ビタミンD→→インスリン分泌促進
・ゴーヤ、アロエ、玄米→→食物インスリン

●糖尿病は本当に恐ろしい!

糖尿病になれば10年以内に多くの人が合併症を発症しています。網膜症、閉塞性動脈硬化症、糖尿病由来腎症です。これがさらに進行すると、失明、壊死切断、人工透析・・・太っていることが病気であると認識している人があまりにも少ないと感じます。内臓型肥満の人はそれだけでも肥満症と言う治療を要する病気です。

糖尿病の多くは、食生活の乱れから肥満を生じ、そして糖尿病を発症しています。