サプリメントの怖い話

健康食品やサプリメントは、薬と全く別のものと考えましょう。
 健康食品やサプリメントの製品の中には、錠剤やカプセルとなっているものも多くあります。しかし、その形状から、サプリメントを薬のように考えて使用してしまっている人が少なくありません。
 ハーブの多くは薬草として使われています。成分によっては副作用や他の成分との相互関係があり、病気の治癒が遅れたり、症状が悪化したりすることもあります。

●病院にかかっている人、医薬品を服用している人
 病院にかかっている人、医薬品を服用している人は、併用することによって健康被害が発生する場合もありますので、健康食品を自己判断では使わないようにしましょう。
 使用する際には、自分が服用している薬と併用が可能かどうかを医師や薬剤師に相談しましょう。
 健康食品と医薬品を併用することの安全性については、ほとんど解明されていないことから、医師や薬剤師に相談するほか、製造者、販売者などにも情報を確認するようにしましょう。

●病気にかかっていない人
 自己判断での使用を極力避けるよう、使用する際には健康食品のデメリットも考慮しつつ、食生活や運動に至るまで自分自身の生活習慣を見直します。

●アレルギー成分と対象者

 一般に食品という表示や、天然や自然という言葉がついているから安心・安全といった考えが多くもたれ、自己判断によって安易に利用されています。しかし、健康食品やサプリメントの成分によって悪影響を受ける対象者があります。サプリメントの素材には、アレルギーや薬剤性の肝障害を起こす成分もあります。
医薬品の場合は、事前に医師や薬剤師から、今まで薬でアレルギーを起こしたかどうかによって体質に合う薬を処方され、また体質に合わない場合は薬を変更してもらうこともできます。
 しかし、健康食品・サプリメントは、アレルギー反応について、各自の判断にゆだねられています。天然・自然由来成分を原料もアレルギーの原因となることがあるために、注意が必要です。これらには被害報告が多数あり、厚生労働省が情報を公開しています。

 アレルギーは全ての人に必ず起こるとは限りません。しかし、いつ誰に起こるかは、はっきりとわかっていません。特に天然・自然由来の成分を使った製品は、凝縮された成分の効力が強い場合もあり、自然由来の場合、微量のミネラルや成分が複合的に残っているために、アレルギーを起こすことがありますので気をつけましょう。

 天然由来品は、産地や収穫時期の条件によって品質に変動があります。また、製造メーカによって有害物質や不純物の除去に差があるため、信頼できるかを製造元のサイトなどで情報をチェックしましょう。

●主なアレルギー被害の報告例
・三七人参
 摂取に関連するアレルギー性皮膚炎の報告がある。
・ローヤルゼリー
 さまざまなアレルギー反応を起こす可能性があるため、喘息やアトピーの患者に対しては使用すべきでないとされている。
・コリアンダー
 アレルギー性鼻炎、花粉症、ライチアレルギーなどの症状を持っている場合に悪化の報告がある。
・ウコン
 皮膚炎の報告がある
・エキナセア
 アトピーやアレルギーの傾向のある人、キク科の植物にアレルギーがある人は注意が必要。過剰摂取は咽喉の炎症を起こす。副作用としてアレルギー症状 (じんましん、結節性紅斑、急性喘息、呼吸困難、アナフィラキシー、血管浮腫)、発熱、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、喉の痛み、目眩などが起こる可能性がある。
・コロハ
 鼻づまりや嗄声、持続性の咳、喘鳴、顔面の血管性浮腫、ショックなどのアレルギー反応を起こす可能性がある
・ザクロ
 果実や種子の経口摂取による副作用としてアレルギー反応がある。他の植物にアレルギーのある人はアレルギー反応のリスクが増大する可能性がある。
・スピルリナ 
 スピルリナや藍藻などの成分に対するアレルギーがある人の使用は禁忌とされている。
・ゼラチン
 IgEを介したアレルギー反応 (じんましん、血管浮腫、喘鳴、低血圧、アナフィラキシーなど) が報告されている。
・プロポリス
 喘息を悪化させる可能性があるため、喘息患者は使用を避ける。アレルギー反応を起こすために、ハチミツなどや針葉樹、ポプラ、松ヤニ、サリチル酸にアレルギーのある人は使用を避ける。