●アメリカで大豆を推奨
良質なタンパク源として、古くから食卓に上ることが多かった大豆ですが、最近では米国政府も大豆を積極的に摂るよう推奨するなど、その栄養素や生理機能が見直されてきています。
●大豆サポニン
大豆の中に含まれるサポニンと言う物質には、消化液に含まれる胆汁酸を食物繊維が腸の中で吸着して、便と一緒に体の外へ運び出してしまう働きを助ける作用があります。胆汁酸が肝臓で作られる時には、コレステロールが使われるので、サポニンは間接的にコレステロールを低下させて、動脈硬化を防ぐ方向に作用することになります。
●大豆の抗酸化力
大豆にはビタミンEが豊富に含まれていますが、ビタミンEには脂質の酸化を抑えて、動脈硬化を防ぐ働きがあるのでさらに効果が倍増します。
●大豆の腸内環境改善
大豆には腸の中に住んでいるビフィズス菌の生育を助ける働きがある、オリゴ糖をたくさん含んでいます。ビフィズス菌が活発になると、腸の中で腐敗物質などを作り出す有害菌が減少するので、腸の働きが良くなります。ビフィズス菌を含む飲料も市販されていますが、一般にビフィズス菌は胃酸に弱いので、元気なまま腸に届くのは難しいと言われています。これに対して、大豆に含まれているオリゴ糖の多くは、消化されずに腸まで届くので、ビフィズス菌を増やすにはうってつけの食品と言うことになります。
●納豆・豆腐ピカイチ
大豆加工食品の中では、やはり納豆と豆腐がピカイチです。
●納豆キナーゼ
納豆に含まれる酵素である納豆キナーゼには、話題を呼んだ病原性大腸菌に対する抗菌効果のほかに、血が固まるのを防いで、血の巡りを良くする作用があることが明らかになりました。脳血栓などの発作は明け方に多いので、この血栓防止効果を期待して納豆を食べるのなら、朝食よりもむしろ夕食の時に食べる方が効果的とも言われています。
●ビタミンK2
さらに、納豆に多く含まれるビタミンK2が骨粗しょう症の予防に効果がある事は有名な話です。
●イソフラボン
さらに健康と長寿のカギを握る物質として大豆にたくさん含まれているイソフラボンが注目されています。長寿の人の尿の中にはイソフラボンがたくさん排泄されている事はよく知られています。イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと構造がよく似ており、女性ホルモンと同じように血液をサラサラにして、血管を拡張させることにより脳梗塞や脳血管性痴呆の予防に役立つと言われています。また、イソフラボンは肝臓でのLDLの処理を促進して、コレステロールや血圧の低下させることもわかってきました。ですから、豆腐、納豆、味噌汁、などの形で大豆製品を毎日の献立の中に上手に組み入れる工夫が必要でしょう。
●豆腐1丁で花丸◎
豆腐は、大豆の効果に加えて、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを補給するためにも効果的です。豆腐の凝固剤には、天然にがり(塩化マグネシウム)や乳酸カルシウムなどが使われています。マグネシウムは血圧の調整や心臓病の予防に大きな効果をもたらすミネラルです。カルシウムには、骨を強化する作用のほかに、イライラなど神経の興奮を沈める働きもあります。天然の精神安定剤と呼ばれています。いずれも、それぞれの凝固剤を使った豆腐を毎日1丁食べれば1日の所要量を大体取ることができると言われています。
やっぱり大豆はすごい!日本人は元来、『大豆・フィッシュ・ベジタリアン』なのです。