子供の時太っていたら、大人になって肥満になりやすい?

●人間が太る2つのパターン
人間が太るにはパターンが2つ有ります。1つは脂肪細胞の数が多くなる(脂肪細胞増殖型)パターンともう1つは、脂肪細胞のサイズが大きくなる(脂肪細胞肥大型)パターンです。

●エネルギー過剰になると、まず肥大化・そして増殖

成人普通体重者の脂肪細胞は直径70~90μmで、肥満が起ると約130μm(直径で1.3倍、体積ではその3乗の2.2倍)までは肥大するが、それ以上は肥大しない。軽度の肥満(BMIで約27)までは脂肪細胞は肥大のみでも対応できる。しかし、生体がこれ以上に栄養を貯蔵させようとすると、もはや脂肪細胞は肥大のみでは対処できない。これ以上太るには、脂肪細胞は分裂して数を増やすしかない。

●脂肪細胞の数と、人生で3回増える時

人間は大体脂肪細胞が、300億~600億有るといわれていますが、脂肪細胞の増殖は、胎児の後期時60%、乳幼児30%、思春期10%ぐらい増えると言われています。

●学童期肥満が成人肥満につながる

又、平均でBMI27を超えると増殖するとも言われています。これまでは、肥満児の70%~80%は成人肥満につながると考えられていました。最近では、30%ぐらいとのデータが発表されています。特に乳幼児の時太っているよりも、学童児肥満が成人肥満につながりやすいと言われています。

●成人肥満は脂肪細胞肥大化からスタート

大人になって太るのはほとんど脂肪細胞の数ではなく、脂肪細胞のサイズが大きくなるためで、脂肪を溜め込んで大きくなった脂肪細胞を持つことで肥満になるのです。最初の段階では脂肪細胞に余裕がある場合は脂肪細胞の増殖は起こりません。

●ダイエットすることによって肥大化した脂肪細胞は縮小する。

肥満になると、脂肪細胞の中に中性脂肪としてエネルギーを蓄えて、脂肪細胞が大きくなります。ダイエットをすると、食事制限をして、有酸素運動をすれば、脂肪細胞の中の中性脂肪は燃焼しますので、脂肪細胞は小さくなっていきます。

●胎児・乳幼児・思春期・に増えた脂肪細胞の数は痩せても減らない

一度増えた脂肪細胞は、減らすことができません。そのため、胎児期の最後の3ヶ月、乳児期、思春期に脂肪細胞が増えてしまうと、「脂肪細胞増殖型肥満」となって、なかなか痩せることができないんです。

ただ、脂肪細胞は小さくなるものの減るわけではありません。そのため、またいつでも脂肪を溜め込むことができますので、やはり脂肪細胞の数が多い人は太りやすいですし、痩せにくいのです。

●人間は生まれてから太り方が変化

1・胎児・乳幼児・思春期には脂肪細胞の数が増殖
2・成人になってエネルギー過剰で脂肪細胞の肥大で肥満化
3・脂肪細胞の肥大化がさらに進むと脂肪細胞の増殖が始まる(BMI27ぐらいから)