ダイエットと歯と骨と・・・

しっかりとした骨や歯を保つためにはカルシウムを多く摂取するようにしますが、カルシウムだけを摂れば良いと言うわけではありません。

1日に必要とされる650ミリグラムのカルシウムを、食品からとっても体内に吸収されるのは、3分の1程度とされています。カルシウムの吸収率は食品によって差があり、牛乳乳製品は約50%、小魚は約30%、野菜の青菜は約18%、で非常に吸収しにくい栄養素と言うことがわかります。

カルシウムの吸収率は、一緒に摂取した他の成分の影響を受け易く、リンの取りすぎや、シュウ酸、フィチン酸や、過剰な食物繊維は吸収率を低下させます。

●リンは、カルシウムやマグネシウムと結合して、骨や歯を構成していて、骨と歯を丈夫にするのに役立つものですが、多くとりすぎると小腸でのカルシウムの吸収を低下させます。リンとカルシウムの摂取バランスは1対1が理想とされています。リンは多くの食品に含まれているので不足する心配はありません。しかし加工食品や・スナック菓子・清涼飲料水などにリン酸塩として添加されているので、これらを多くとっている人は、カルシウム不足になりがちです。

●シュウ酸は、体内でシュウ酸カルシウムとなると、そのほとんどが吸収されず排泄されてしまいます。シュウ酸は、ほうれん草や筍などに多く含まれていますが、アク抜きをすることで、減らすことができます。茹でた後よく水にさらしておきましょう。

●また、カルシウムを多くとるほどマグネシウムの排泄量が増えます。そのため、カルシウムとマグネシウムの摂取バランスは、2対1の割合とするのが理想とされています。

●その他にカルシウムの吸収率を左右するものがいくつかあります。吸収を高めるものとしてはビタミンDが挙げられます。食品に含まれるビタミンDは、肝臓と腎臓の酵素によって、活性型ビタミンDに変換されます。これは腸管からのカルシウムの吸収を促進する作用があるため、カルシウムの吸収を高めるためには欠かせません。

●タンパク質は適度な量ではカルシウムの吸収を促進するものの、取りすぎると逆に阻害するので肉類などの食べ過ぎには注意が必要です。

●アルコールはカルシウムの吸収を低下させたりビタミンDの働きを低下させたりする作用があります。

●またタバコに含まれているニコチンにもカルシウムの吸収を低下させる作用があるので喫煙する人は要注意と言うことになります。

●コーヒーの中に含まれるカフェインには、尿を出す利尿作用があるので、あまりたくさんコーヒーを飲み過ぎると、尿と一緒にカルシウムも排出されてしまいます。1日にカップ5杯以上飲むと骨に影響が出るとも言われています。

■どうしてもダイエットをすると減食することで栄養素のバランスを崩してしまいがちです。せっかく体重が減っても、一緒に骨も減ってしまったのでは元も子もありません。