第三の脂肪・・・異所性脂肪とは?

皮下脂肪、内臓脂肪とは異なる、第3の脂肪と呼ばれている異所性脂肪が最近注目を集めています。

異所性脂肪とは本来ほとんど脂肪が存在しない、内臓脂肪や皮下脂肪以外の組織や臓器に蓄積する脂肪のことをいいます。今のところ14カ所の臓器にたまることが報告されていますが、主な臓器に膵臓、筋肉、肝臓、心臓、があります。

過栄養、高脂肪食、運動不足の結果、皮下脂肪蓄積や内臓脂肪蓄積が一定レベルを超えると、全身のあらゆる細胞に脂肪が蓄積することがわかってきました。特に最近の報告によると白血球の免疫細胞であるナチュラルキラー細胞にも脂肪が蓄積される事が報告されています。

●主な臓器に溜まる異所性脂肪

★1.膵臓への脂肪の蓄積(脂肪膵)
肥満により膵臓内に脂質が蓄積すると血糖を下げるホルモンであるインスリンの合成が低下したり、インスリンを分泌する細胞が壊れて減ってしまったりすることでインスリンの分泌が低下し、糖尿病の発症につながります。

★2.筋肉(骨格筋)への脂肪の蓄積(脂肪筋)
EMCL筋細胞外脂肪やIMCL細胞内脂肪等、肥満により筋肉の細胞内に脂質が蓄積すると、インスリンの作用が低下するため筋肉内への糖の取り込みが低下し、糖尿病の発症につながります。

3.肝臓への脂肪の蓄積(脂肪肝)
脂肪肝については一般的によく知られていますが、これも異所性脂肪の1種なのです。体内にあまりにも多くの脂肪が入ってくることにより肝臓がそれを処理できなくなった状態で、肝臓自体に脂肪が蓄積されることになります。

4.心臓周囲脂肪(血管周囲脂肪)
そもそも内臓脂肪や心臓の周りの脂肪は、アディポネクチンという良いホルモンを出して、血管を拡張させることが知られていました。ところが心臓周囲に脂肪が蓄積することによって、この良いホルモンが減少し動脈硬化を起こして狭心症や心筋梗塞の原因になる可能性が示唆されています。

今問題になっている内臓脂肪だけではなく、今回取り上げた異所性脂肪についても、糖尿病を始めとする生活習慣病の発症に深く関わっていることが、報告されるようになりました。特に最近注目されているのが、私たちの免疫細胞である白血球の中にある、ナチュラルキラー細胞にも脂肪が蓄積し、免疫力の力を落とすことが発表されています(ネイチャー)

◆こんな人は要注意!

1・あまりにも体脂肪率が高い人
2・痩せていて体脂肪率が高い人
3・ダイエット・リバウンド3回以上繰り返している人
4・40歳以上の男性や、閉経後の女性
5・体重はあまり増えてないのにお腹だけが出ている人
6・お酒はあまり飲まないのに血液検査をするとGOT・GPTの高い人
7・歳をとって筋力が衰えているのに体重が変わらない人

あなたは自分のことを考えて気になるタイプではないですか?でもあまり心配は不要です。

◆予防改善

なんとこの異所性脂肪と言う脂肪は、内臓脂肪と同じくたまりやすいが、減りやすい、と言う特徴があります。皮下脂肪や内臓脂肪のように腹部CT検査をすれば判断することができますが、この異所性脂肪は従来の検査法ではなかなか判別することができません。

だから上記の要注意項目にあたる人は、できればダイエットをしてください。数キロダイエットする事によって非常に大きな効果があります。

そして、運動することによって1番最初に燃焼する脂肪が第3の脂肪の異所性脂肪と言われています。数時間の運動で効果が見られる、と言われていますのでしっかり運動もしましょう。