熟睡を良く知ろう

●睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠の繰り返し。

寝付いてすぐに来る1回目のノンレム睡眠がもっとも深い睡眠です。このときに熟睡できるとよい睡眠につながります。疲労を回復し新陳代謝を高める成長ホルモンは、熟睡しているノンレム睡眠のときに多量に分泌されると考えられています。

レム睡眠中に目覚めると、脳はレム睡眠中に考えていたことを覚えていることがあります。これが「夢」です。ノンレム睡眠中に目覚めると、脳は叩き起こされた状態になる。つまり、不機嫌な状態で目覚めることになります。

ノンレム睡眠とレム睡眠のセットは、約90分の周期で繰り返されるが、これはあくまで平均値。この周期は寝入りばなは長いが、明け方にかけてしだいに短くなっていく。また、短い周期で繰り返す人もいれば、これより長い周期の人もいます。

このように、眠りのリズムには個人差があり、何時間眠ればもっとも心地よく目覚められるか、何時間眠れば区切りのいいときにすっきりと目覚められるかなども個人差があります。普通、睡眠時間は多くの人は6時間から9時間の間だろうと思われるが、ならば、4、5時間の睡眠はカラダに悪いのだろうか?
残念ながら、研究者の間でもまだ結論は出ていません。

●頭は起きているレム睡眠。

浅い眠り、つまりレム睡眠では、脳は活動しています。だから夢を見る。脳が活動しているので考えることもできます。夢の中で、自分が夢を見ているのだと自覚できる場合があるのは、脳が活動している証拠。金縛りもレム睡眠のなせるワザです。

レム睡眠は脳が起きている状態なのだから、その間に学習できるはずだと考えたひとがいます。さすがに、参考書を枕にして眠ってもその内容を覚えることはできませんが、例えば、レム睡眠中に音声を流せば、脳はその内容を記憶するのではないか。枕もとで英会話のテープを流しながら眠ると、はたして英会話が身につくのでしょうか。

勉強する場合は、朝にしたほうがよいのか、夜寝る前にしたほうがよいのか。脳は、睡眠中に記憶を整理するので、睡眠により近い夜のほうが覚えやすいのではないかとも思えるが、睡眠の研究者の間では結論は出ていません。

眠りの研究はまだ始まったばかりで、ほとんど何もわかっていないと言っても過言ではありません。極端な例を挙げれば、人間や動物がなぜ眠らなければならないのかさえ、わかっていないのです。

●レム睡眠は目覚めるための睡眠。

睡眠中にレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されるのは、哺乳類と鳥類だけです。魚が眠ることは知られていますが、魚類の睡眠はレム睡眠のみです。レム睡眠は、カラダを休めるためのものでもあり、脳がさほど発達していない魚類では、レム睡眠だけで十分なのです。

爬虫類は、レム睡眠とノンレム睡眠が完全に分かれるというところまでは進化していません。爬虫類の睡眠は、鳥類と魚類の中間の性質を示しています。鳥類になると、大脳が発達します。大脳の活動には多くのエネルギーを必要とし、活動し続けていると疲労が蓄積します。このため鳥類は、脳を回転させるための、より深い眠りが必要になります

哺乳類や鳥類は、ノンレム睡眠によってカラダを回復させるとともに、脳をも回復させます。カラダと脳を回復させるだけなら、レム睡眠など必要ないのかもしれません。しかし、ノンレム睡眠と起きている状態の間には、大きなギャップがあります。生命の歴史の中で、哺乳類や鳥類にレム睡眠が残ったのは、熟睡している状態のノンレム睡眠と、起きている状態とを滑らかにつなぐためなのです。つまりレム睡眠は目覚めるための睡眠といえます。

レム睡眠の状態から目覚めると、気持ちよく目覚めることができるのはこのためです。ノンレム睡眠の状態なのに、外からの刺激によって無理に目覚めさせられると、しばらくは不機嫌だったり、眠ったのに疲れているような気分になります。ノンレム睡眠から、私たちのカラダや脳が覚醒するまでには、少しの時間を要します。