揚げ物と死亡リスク

●油が大好き

最近はデパ地下などで惣菜を見ても、ひと昔前と違って揚げ物が非常に多いことに気がつきます。日本人も油が大好きになったようですね。そして揚げ物の食べる頻度は以前と比べて格段に高くなっています。

●揚げ物が死亡リスクを高める

全死因死亡および心血管死亡のリスクを高めることが、米国・アイオワ大学のYangbo 
Sun氏らによる、閉経後女性を対象とした大規模前向きコホート研究のデータ解析の結果、示された。BMJ誌2019年1月23日号掲載の報告。

●閉経後のリスク

更年期を過ぎると、女性の死亡原因として虚血性心疾患と脳血管疾患が急激に増加し、1位と2位を占めるようになります。原因は、閉経による女性ホルモン・エストロゲンの減少です。エストロゲンにはさまざまな働きがあり、動脈硬化を予防する善玉コレステロールを増やし、動脈硬化を促進する悪玉コレステロールの増加を抑えることもそのひとつです。

●肥満の原因

油は他の栄養素と比較して格段にエネルギーが高く、タンパク質や糖質が1グラム4キロカロリーに比べて脂質は1グラム9キロカロリーと2倍以上のエネルギーを持っています。「柔らかくて甘くてこってり」と油の消費量が増えることによって肥満者が増える原因になっているのです。

●油の酸化と動脈硬化

ほとんどの揚げ物はリノール酸の多い天ぷら油を使用しています。このリノール酸は案外酸化しやすい油なので、揚げ物の多くは酸化していると考えてよいでしょう。油の酸化は過酸化脂質を体の中で作り健康に良くないとされています。家庭で揚げ物をする場合はオリーブオイルまたはライスオイルを使いましょう。

●ガンとの関連
揚げ物と癌の関係は確かな根拠が報告されているわけではありませんが、飽和脂肪酸の取りすぎは腸内環境を悪くしますし、体内の脂肪が過剰に溜まると、私たちの免疫をつかさどっているナチュラルキラー細胞に脂肪が蓄積し免疫機能を落とすことも発表されています。