過剰な脂肪が発癌と関係

●免疫細胞に脂肪がたまる

有名な科学雑誌のネイチャーが最近肥満と癌について「肥満とガン」相関の理由が一部判明、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)に蓄積した過剰な脂質が免疫系の働きを阻害する〈ネイチャー〉と掲載した。

●私たちの体には毎日癌が発生している

私たちの体では毎日3000から5000の癌が発生していると言われています。このがん細胞を消去している1つがNK細胞です。そしてこのナチュラルキラー細胞はがん細胞を見つけるとそのがん細胞に接着してパーフォリンやグランザイムと言うタンパク質をふりかけてがん細胞を殺して回っているのです。

●私たちの体にたまる異所性脂肪

皆さんがよくご存知かと思いますが、脂肪には内臓脂肪や皮下脂肪といった種類があります。実はそれ以外の臓器の中にも脂肪がたまることがわかっています。最もわかりやすいのが脂肪肝です。肝臓の脂肪代謝が行き詰まって肝臓に脂肪がたまってしまった状況をいます。その他にも膵臓、血管、筋肉、など私たちの体の臓器や組織に脂肪が溜まる状況があります。

●NK細胞に脂肪が蓄積

最近の発表では、私たちの免疫細胞のリンパ球の中のナチュラルキラー細胞に脂肪が蓄積し、免疫力を落とす可能性があるという発表がなされました。それは肥満が癌を殺してくれている、ナチュラルキラー細胞の免疫能を低下させると言う事でもあります。

●肥満が癌の原因

すべての癌が肥満によって起こっているわけでは無い事は当たり前だと思いますが、今回の発表によって癌を事前に殺してくれているナチュラルキラー細胞に、脂肪が蓄積しその免疫能を低下させると言う事は、間接的に肥満ががんの原因になっていると云っても過言ではないと思います。

肥満が万病の元と言われますが、癌の原因と大きく関係がある根拠が証明されつつあります。