脂肪肝とお酒

●脂肪肝の人は基本禁酒!

脂肪肝を改善するためには、飲酒をしている人は原則的に禁酒です。禁酒は仕事の付き合いなどからできないと言うなら、飲みすぎないように極力量を減らしていくことが大切です。通常のアルコール性脂肪肝なら、2から4週間程度の禁酒だけで数値が下がり、よくなりますので、まず数週間程度はぐっと我慢して、「肝臓を休ませ、肝臓に溜まった脂肪を使い切ってしまう」ことをお勧めします。

●アルコールは栄養素空っぽ

アルコール飲料はエネルギー量が高いことに加えて、食欲が増進するために食べ過ぎになりがちです。飲酒のときには、摂取エネルギー量を考えて、ご飯を食べない人もいますが、アルコール飲料はご飯の代わりにはなりません。ご飯にはビタミンやミネラル、タンパク質といった栄養素が含まれていますが、アルコール飲料は「エンプティーカロリー」(栄養素がなくカロリーだけが高い)と呼ばれ、アルコールのエネルギー(1グラムが7キロカロリー)だけで栄養素がほとんど含まれていません。

●アルコールは適量

やむを得ずアルコールを飲む場合は200キロカロリー程度までとし、主食のご飯を軽く一杯程度は食べるようにします。主食の適量は、その人の1日に必要なエネルギー量によって異なりますが、30から50歳代の男性の場合には、1日に必要なエネルギー量の目安は、2000から2200キロカロリーです。

●脂肪肝、どれぐらいのエネルギー摂取?

脂肪肝もなく肥満でもない人は、アルコール飲料を飲む場合には適量(日本酒なら一合)までとし、そのエネルギー量分を差し引いて(日本酒1合で約200キロカロリー)、食事のエネルギー量を1800から2000キロカロリーとします。

脂肪肝や肥満の人は1600から1800キロカロリー程度に抑えます。1日のエネルギー量が1600キロカロリーの場合では、ご飯は一食150グラム(茶碗いっぱいで250キロカロリー)が適量となります。おかわりをすると約250キロカロリーのオーバーになりますので注意しましょう。

●適度な飲酒の目安(純アルコール20グラム程度)

◎日本酒ーー1合(180ミリリットル)
◎ビールーー中瓶1本(500ミリリットル)
◎ウイスキーーーダブル一杯(60ミリリットル)
◎ワインーーグラス1杯半(200ミリリットル)
◎焼酎(35度)ーー 3分の1杯(70ミリリットル)

●酒は百薬の長

脂肪肝や肥満ではない人は、適度な飲酒は私たちの体に良い影響を与え、病気の予防にもなると言う報告は数多くあり、この考え方はすでに当たり前になっている。ただし適量を超えると、肝臓に負担がかかり急速に体を蝕むこともわかっている。

《日本肥満予防健康協会》