果糖が肥満の犯人?

●異性化糖の氾濫

最近、ジュースやスポーツ飲料など清涼飲料水や菓子類などの甘味の強い加工食品の多くに「果糖ブドウ糖液糖」や「ブドウ糖果糖液糖」が甘味料として使われています。

●異性化糖は自然界にない工業甘味料

この甘味料はとうもろこしから抽出した果糖とブドウ糖を主成分としている異性化糖と呼ばれるものです。工業的に安定して生産ができ、冷たくしても甘さが低下しない特徴を持っており価格も安いので多くの食品に使用されるようになりました。

●複合糖質より甘味は強い

ご飯やパン、カボチャやイモ等の野菜などに含まれる糖質は複合糖質であるのに対して、果糖は単純糖質で、その中でも最も甘みが強く多量に取り続けると体重の増加や肥満を招くことになります。

●果糖の消費量が増えている

異性化糖の急激な氾濫で、果糖の消費量が急激に増えている現実があります。世界の果糖の消費量は急速に増えています。それは、清涼飲料水や菓子類などの甘味の強い加工食品の多くに「果糖ブドウ糖液糖」や「ブドウ糖果糖液糖」が甘味料として使われるようになったからです。

●果糖が肥満や一部の病気の原因に

清涼飲料水や菓子類などに含まれる「果糖」が、食品のカロリーを高めるだけでなく、2型糖尿病や心血管疾患の発症リスクも高めているという研究が、医学誌「British
Medical Journal」に発表された。

●果糖が肥満を作っている

果糖は、ほとんどが肝臓で代謝されるため直接には血糖を上げないが、肝臓で中性脂肪などに変換され、余分なものが脂肪として貯蓄される。フルクトースなどの糖類が含まれるジュースなどの清涼飲料水を1日1回以上摂取すると、体重増加や肥満につながり、2型糖尿病のリスクが上昇することが、多くの研究で確かめられている。

●果糖は満腹感をもたらす事は無い

果糖の含まれる高カロリーの清涼飲料は、それ自体が満腹感をもたらすことはなく、食事のカロリー摂取量が減ることはない。結果として体重増加を引き起こしやすい。

●果物が肥満の原因ではない(果物と果糖を一律に考える必要はない)

果物が糖尿病を引き起こすことは少ない。意外なことに、果糖は果物にも含まれるが、果物それ自体が2型糖尿病や肥満を引き起こすことは少ないことも判明している。

●どうして?果糖が含まれている果物だったら良いの?

果糖を含む果物は、それらが過剰なカロリーを供給するのでないかぎり、血糖コントロールには有害な影響を及ぼさないという。果物には果糖のほかに、食物繊維やビタミン、ポリフェノールなど、体にとって好ましい栄養成分も多く含まれる。

●ただし果物の食べ過ぎには注意

ただし、「果物は太らない」と思っていると、食べ過ぎにつながるので注意が必要ですよ。

●低カロリー甘味料をうまく使うのも1つの方法

高カロリーの清涼飲料やお菓子などの加工食品は、2型糖尿病や肥満のリスクを上昇させるが、低カロリー甘味料はひとつの解決策となるという科学的研究の成果が、英国で開催された「国際甘味料協会(ISA)会議」で発表された。