短期ダイエットで、失うもの

カロリー制限しなくても、1日1キログラム~2キログラムなら簡単に体重は落とせる。10日で10kgの計算だ。命の保証は出来ないが。

ダイエットを開始して、体重が落ちる。我々プロが着目するのは、体の中の何が減って体重が落ちたのか、だ。体重だけを落とすのに一番簡単なのは水分。
成人で一日約2.6リットルの水分を摂取し、同量の水分を排泄している。しかもその内約1リットルは「不感蒸泄」と言って呼気等で勝手に蒸発しているのだ。だから水分の摂取さえ控えれば、勝手に1リットル=1キログラムは体重が減る。これはただ干からびているだけで、サウナで我慢して我慢して汗をかいたり、ラップでお腹巻いたり(今時いないと思うが)して、体重が落ちたとしてもそんなのダイエットとは言わない。
短期間に一気に体重を減らそうとすると、極端な食事制限をすることとなる、すると食事から摂取していた水分も減る。これが本当に危険で死を招くこともある。かの力石徹もこれで命を落とした・・・。
もちろん、そこまで極端でなくとも水分を失い肌はカサカサに、水分だけでなく栄養素も極端に減ることとなるので、髪の毛の艶は無くなり、血液の廻りが悪くなると顔色も悪くなる。ホルモンのバランスも崩れ、生理不順になる場合もある。
体脂肪1キログラム落とすのには7200キロカロリーが必要なのだが、よく考えて見てほしい。一日にあなたは何キロカロリー食べているだろうか。一食1000キロカロリーとしても、3食で3000キロカロリー。一日に7200キロカロリーも食べてる人はそういないはずだ。30分ジョギングしたとしても150キロカロリーほど。一日で7200キロカロリー消費することは不可能に近い。余分な脂肪を削って行くのがダイエット。焦って命も削らないように。

ライター:日本肥満予防健康協会 藤田賢史